
「今でも変わらない」ということに
わたしたちは自身を持っている。
50年代から現在に至るまで、様々な年代のアメリカの空気感をベースに、モノづくりを展開してきたBARNS OUTFITTRESが贈る、目に見えない背景を伝えていく本企画。第一回として、BARNS OUTFITTERSの歴史を語るに欠かせないTSURI-AMIをプロダクトデザイナー吉村が語る。
BARNS OUTFITTERS PRODUCT designer
吉村 直樹
-2000年代のスウェットシャツブームに先駆けて-
わたしたちが旧式の編み機(吊編み機)に着目し、独自のファブリックを製作してから早十数年。生地の耐久性や着心地の良さに定評がある吊編み機で編まれる生地であるが、実はそんな生地にも目に見えないモノつくりのストーリーが存在していた。
2000年代に巻き起こったスウェットシャツブーム当時、多くのブランドがヘビーウェイトなアイテムや柔らかな着心地のアイテムなど、様々なシーンや
ジャンルに分けて製品化していた一方、プロダクトデザイナーは、
当時のことを語った。
(吉村)当時も希少性の高い吊編み機で編まれた生地を使用したアイテムはBARNS OUTFITTRS以外にも存在していましたが、ぼくたちが作りたかったのは着心地の良さの中にしっかり、デイリーユースしてもヘタらないモノでした。かなり生地開発には職人さんにお世話になりましたが、その時の気持ちは今でも変わりませんね。
その結果、本当に唯一無二のオリジナルの吊編みの生地ができたんです。吊り編み機で編まれる生地の特性上、柔らかいのはもちろんですが「度目詰め」といわれる編みの詰め具合を増やすことによって、よりタフさが生まれたんです。理想としていた「着心地の良さとタフさ」が実現したときは、これはスタンダードとして時代に左右されず残っていくという確信があったので、デザインにもしっかり落とし込まなければという責任が生まれましたね。”「今でも変わらない」ということにわたしたちが自信をもっている”のは工場から皆さまにお届けしてその先まで続いていく敬意をこめて「TSURI-AMI」というネームに関係してくるのかもしれません。
-デイリユースかつ時代に左右されないスタンダード-
(吉村)この生地を使ったスウェットシャツは、丸胴といわれる胴脇に縫い目がないすっきりとした見た目が特徴です。これを活かして、着心地も身体に沿うようなラグランスリーブにすることでフィッティングの帳尻も合わせた仕様にしました。
前身頃だけにつけたガゼットも敢えての仕様で、両Vガゼットという後ろ身頃と前身頃にはめ込むヴィンテージデティールもありますが、”デイリーユースかつ時代に左右されないスタンダード”としては時代を感じてしまい、何か不調和が気になってしまうからです。
縫製は4本針ミシンを使うことにより、ストレスない着心地も再現してます。もともとは肌着などで使われるミシンですが、このタフな生地にも耐えゆる縫製や身生地にでるランダムネップの表情も一つの特徴として楽しんでいただければと思いました。
結果的に全てのディテールに対しても昔ながらの機械を使ってたりはしますが、時代を感じさせないアイテムになっていると思うんですよね。だからこそ、アイテムを持っている皆様には「何十年着ても大丈夫ですよ。」と伝えたいですね。だって、「今でも変わらない」ということにわたしたちは自信を持っていますので。笑