「知っていると洋服選びがもっと楽しくなる」をテーマに豆知識をお届けします。
今回のテーマは、BARNS OUTFITTERSの春夏アイテムでもすっかりお馴染みとなった「ピグメント染(顔料染)」。
近年のヴィンテージ・古着カルチャーの盛り上がりによって、「フェード感(色褪せ感)」や「アタリ」のある雰囲気がすっかり定番となりました。それらを演出する上で欠かせないのが、このピグメント染です。
トレンドの手法に思えますが、実は深い歴史と、知っておくと愛着が湧く「特有の性質」があります。今回はその奥深い世界をご説明していきます。
「染料」と「顔料」は何が違う?2つの染色方法
カジュアルウェアの色付けには、大きく分けて2つのアプローチがあります。
- 反応染(一般的な染色)
「染料」を使い、化学反応によって繊維の奥深くまで色を染み込ませる方法です。 発色が鮮やかで美しく、洗濯を繰り返しても色落ちしにくいのが特徴です。
- ピグメント染(顔料染)
水に溶けない「顔料」を使い、繊維の奥ではなく“表面”に粒子を付着させる方法です。 粒子のサイズが大きいため繊維の中まで入り込まず、生地の表面にとどまります。そのため、洗濯で擦れるたびに少しずつ色が剥がれ落ち、長年着込んだような「リアルヴィンテージ」の風合いへと変化していきます。

ニッチな手法から「市民権」を得るまでの歴史
ピグメント染の技術自体は1980年代にはすでに存在していました。当時はアメカジラバーたちが好む少しニッチな存在でしたが、一気に日の目を浴びたのが1990年代です。
当時のグランジロック(ボロ着をルーズに着崩すスタイル)の大流行と、空前のヴィンテージブームが後押しとなり、一躍ストリートの主役に躍り出ました。
そして現在、近年のヴィンテージブームとY2K(2000年代リバイバル)カルチャーの流れを受け、その独特のフェード感が再び熱い注目を集めています。
知ってほしい「色ムラ」と「白い筋(アタリ)」の真実
ピグメント染のアイテムをお手元に取った際、「色ムラ」や「白い筋」があることに気づかれるかもしれません。
実は「これは不良品でしょうか?」とお問い合わせをいただくことがございます。しかし、これこそがピグメント染の「本物の証」であり、最大の魅力なのです。
■ なぜ「白い筋」ができるの?
これは「チョークマーク」とも呼ばれる現象です。 大きな釜に生地を入れて染める際、釜の中で生地が揉まれてシワになります。そのシワの谷になった部分に顔料が濃く溜まったり、逆に山になった部分に付着しきれなかったりすることで、独特の白い筋やムラが生まれます。
特に、BARNS OUTFITTERSが主に使用しているような「肉厚でヘビーウェイトな生地」であればあるほど、このチョークマークがハッキリと出やすくなります。
これらのムラや筋は、何度か着用と洗濯を繰り返していくうちに全体と馴染み、あなただけの身体の動きに合わせた「唯一無二のアタリ」へと育っていきます。

傷やムラさえも「味」になる、育てる楽しさ
均一でキレイな服も素敵ですが、着る人とともに歴史を刻み、徐々に退色していくピグメント染の服には、理屈抜きの格好よさがあります。
最初から完成された服ではなく、着て、洗って、初めて完成へと向かう一着。 ぜひ、BARNS OUTFITTERSのタフな生地で、あなただけのオンリーワンの1枚を育ててみてください。
今後も「ここが知りたい!」という洋服の疑問がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。
次回もお楽しみに!