BARNS OUTFITTERSの定番、BR-3043とBR-8145。
これらの首元をよく見ると、三角形のパーツが前後にあしらわれているのが分かります。これが「両Vガゼット」です。
単なるデザインだと思われがちですが、実はそこには100年近い歴史と「機能美」が詰まっているのです。
前回の"COZUN(コズン)"についての記事はこちらから

1. なぜ「V」が必要だったのか?(1920〜50年代の知恵)
スウェットシャツが誕生した1920年代から50年代にかけて、このディテールは「贅沢な仕様」として重宝されてきました。
理由は主に2つあります。
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着脱をスムーズにする「伸縮性」
当時の生地は現代ほど伸び縮みしませんでした。そのため、頭を通すのが一苦労。そこで首元に伸縮性のあるリブ(ガゼット)をはめ込むことで、着脱しやすくすると同時に首回りのヨレを防いだのです。 -
「汗止め」としての実用性
アスレチックウェアとして誕生した背景もあり、頭から流れる汗をこのガゼットがキャッチ。胸元や背中に汗が染み出すのを防ぐ役割も果たしていました。
時代が1960年代に入ると、大量生産のための効率化や生地の進化によって、この手間のかかる仕様は次第に姿を消していきました。
2. 「はめ込み」式へのこだわり
このV字ガゼットには、大きく分けて2つの手法があります。
これこそが、BARNS OUTFITTERSのこだわりのポイントです。
一般的に普及しているものは、ボディの上からV字のパーツを縫い付けるだけの「貼り付け」式と呼ばれます。これは汗止めの効果はありますが、肝心の伸縮性はほとんど期待できません。
対して、BARNS OUTFITTERSが採用しているのは、手間のかかる「はめ込み」式です。 これはボディの生地をわざわざV字に切り抜き、そこに合わせてリブを縫い合わせるという非常に高度な技術を要する手法。生地をカットして繋ぎ合わせるため、本来の目的である「高い伸縮性」を最大限に発揮できるのです。
「効率」よりも「本来の機能と美しさ」を優先する。職人の手仕事が介在するこの仕様に、ブランドの矜持が隠されています。
3. 効率化の時代に、あえて残す「機能美」
かつてはスポーツウェアとしての「最高の機能」だった両Vガゼット。
現代では生地も進化し、ガゼットがなくても困ることはありません。しかし、そのクラシカルな佇まいには、効率化では決して出せない「風格」があります。
効率を優先して失われてしまった古き良きディテールを、現代の技術で蘇らせる。
「COZUN 14/-天竺」のタフな生地感と、この「両Vガゼット」が組み合わさることで、他にはない圧倒的な存在感が生まれるのです。
まとめ:歴史を纏う楽しみを
一見すると小さなパーツかもしれません。
しかし、その背景にある「アスリートへの配慮」や「職人の縫製技術」を知ると、いつもの1枚がより愛おしく感じられませんか?
BARNS OUTFITTERSが現代に生かす、古き良き機能美。
ぜひその着心地と佇まいを、ぜひ体感してみてください。